飯能の地域で産出される西川材。江戸の西に位置し、川を下ってくる良質の木材ということで西川材と呼ばれた銘木です。
西川材の保存に取り組まれている西川バウム合同会社の浅見さんにお話いただく機会をもらいました。
まずは西川材の歴史や特徴、そして林業を取り囲む現状について伺いました。
そして今、取り組んでいる「はしらベンチ」に込めた思いを語ってくださいました。
半乾燥状態の木材を使い、ベンチから木のかおりを届けます。そして半年ごとに木材を交換、乾燥した木材を回収して別の用途に利用するという持続かつバイオマスな取り組みです。
回収した木材を利用したウッドデッキやウッドレンガが味わいある質感で素敵です。
浅見さん、丁寧にレクチャーしていただきありがとうございました。
<生徒コメント>
「日本にたくさんある資材ですが、昔に比べて使われにくくなっているからこそ、これから人と木がどう関わっていくべきなのかという問いについて学びました。また、50年サイクルでまわす林業だからこそ、昔の人が現代の人を思い育て、現代の人が未来の人のことを思い育てるという、この繋がりの中で一人一人の願いや想いについて知るきっかけになりました。西川バウムさんの取り組みとして、あえて未完成の状態で品を渡し、使用者自身が完成品にさせるというものであったり、あえてコーティングなどをせずに、木の本来の匂いや手触りを知ってもらい、人と木との関わりを増やすというこだわりを感じました。 家に帰り、早速、いただいたコースターをやすり、使っています!」
さらに秩父まで足を運びます。
秩父神社近くのふるさと館にて秩父銘仙で用いられる型染めの体験です。
<生徒コメント>
「秩父市で伝統工芸品に指定されている秩父銘仙。それに用いられている「型染め」を体験しました。型に筆で押しながら色をつけていきます。筆に水をつけすぎると布に色が染まりづらく、難しところもあったが自分の思うように染まってくれました。地元に住んでいるからこそ、気が付かないこともあるものです。夜祭の半纏にも使われていると知り、身近にあったけど知らないだけなんだと感じました。今回の体験を活かし、もっと秩父銘仙を知りたいと思いました。また、秩父市の魅力を再発見できてよかったです。」
伝統工芸の織物の中には、実際には生産されなくなってしまったものもあります。川越唐桟もその一つですが、この秩父銘仙は未だに受け継がれて続いています。秩父銘仙はシルクの織物の縦糸に型染めをするという特徴的な織物です。
秩父の伝統産業について見識を深める貴重な時間となりました。