最終日の目的地は岐阜県飛騨市。「量子力学の学び」です。
現在スーパーカミオカンデは見学を一時中断しています。研究員の方が感染して研究が止まってしまうことを防ぐためです。ですが、出張講義という形で未来ある若者に門戸を開いてくれています。神岡公民館をお借りして研究者の亀田先生がニュートリノや陽子崩壊、スーパーカミオカンデを用いた研究内容について説明してくださいました。
ニュートリノは素粒子の一つであり、原子よりもはるかに小さい粒子です。原子の大きさを太陽系の大きさまで拡大したとき、ニュートリノを同じ比率で拡大してもテニスボール程度にしかなりません。そんなニュートリノを観測するのは困難を極めます。
観測には光電子倍増管という胸に抱えるくらいの大きな電球のようなもの11,000個用いて行われます。その光電子倍増管のガラス部品を作っているのが以前見学に訪れた上福岡にある日本無線硝子さんです。事前学習で馴染みがあったからでしょうか、質疑応答では「核心をついた良い質問ですね」と先生に言われた場面が多くみられました。
講義後はカミオカラボを訪問しました。ゲームを体験しながらスーパーカミオカンデやニュートリノについて学べる施設です。先生の話が難しいと感じていた生徒にとっては咀嚼する機会となったようです。
北陸探究宿泊プログラムでは「発酵の学び」「紙漉の学び」「地方創生の学び」「量子力学の学び」を実施。それ以外にも0を1にする経験が数多くありました。その1をどこまで広げられるかが生徒一人一人に課せられた試練ではないでしょうか。今後の成長に期待しています。